
最近、オーガニックコットン商品が多いけれど、オーガニックコットンって何がそんなにいいの?
普通のコットンと何が違うの?
こんな疑問をお持ちの方へ向けて記事を書いています。
実はわたしもずっと「オーガニックコットンと普通のコットンの違い」が疑問だったんです。
オーガニックコットンって肌にいいんでしょ?くらいに思っていたんですが、実際に調べて見ると、想像もしていなかった違いがありました。
ただ肌に優しいだけじゃなく、そこにはもっと深い意味があり、いろんな意味で衝撃を受っぱなしでした。
みなさんにも是非知っていただきたいと思い、この記事を書いています。
オーガニックコットンと普通のコットンの違いは?

オーガニックコットンと普通のコットンの違いは一体何なのでしょう?
一番気になるところですよね。
オーガニックコットンと普通のコットンの違いは主に4つあります。
少し掘り下げて、ご説明しますね。
使用される農薬や化学薬品の量の違い
「オーガニックコットン」とは農薬や化学肥料を3年以上使用していない農地で、農薬や化学肥料を使わずに栽培されていて、そのことを定められた機関で「認定」されているものことをいいます。
つまり、オーガニックコットンとは栽培時に、農薬や化学肥料を使用していないコットンのことです。

それだけ聞いても、特に凄さがわからないかも…
と思っている方!次からが本題です!
実は、コットンは最も農薬や化学肥料を使用する作物であると言われているんです。
というのも、コットン畑は世界の農作物面積の約5%しかありませんが、世界の農薬の25%はコットン畑に使用されています。
この数字を見れば、コットンにどれだけの農薬が使用されているか、一目瞭然でしょう。
オーガニックコットンと普通のコットンでは、使用されている農薬や化学肥料の量に雲泥の違いがあるのです。
また、普通のコットンは収穫の効率を上げるためにベトナム戦争で使用されたことで有名な「枯葉剤」で必要のない茎や葉を枯らし、綿花だけを素早く収穫しています。
私たちの洋服になる頃には枯葉剤の成分は無くなっているかもしれませんが、危険な枯葉剤を用いて作物を育てて本当に大丈夫なのかと心配になります…。
遺伝子組み換えか、そうではないかの違い
また、オーガニックコットンは遺伝子組み換えの作物ではないところも普通のコットンとの大きな違いです。
コットンは育てるのも収穫のも大変な作物なんだそうです。
育てる手間を省いて収穫効率を上げるために、コットンは遺伝子組み換えを行っているものがとても多いです。
コットン栽培大国のインドでは全コットンの90%が遺伝子組み換え作物です。日本オーガニックコットン協会より

でも、遺伝子組み換えの何が悪いの?
遺伝子組み換えは、人や環境にとって有害であると世界の各地で警笛が鳴らされています。というのも…
コットンの遺伝子を組み替えて、殺虫剤や除草剤を撒いても枯れないコットンを作りだします。
簡単に虫払いや除草ができるので作業効率が良くなるため、一見はいいように見えますが、そこには大きなリスクがあるのです。
殺虫剤や除草剤は使用しているうちに、虫や草に耐性が出てきてしまい、それまでの強さの薬品が効かなくなってしまいます。
これは菌やウイルスと同じですよね。ワクチンを作っても、菌やウイルスに耐性が出てきてしまい、より強力なものへと変異してしまう仕組みです。
すると、もっと強力な殺虫剤や除草剤をコットン畑に撒かなければいけなくなります。
そんな強力な薬品がいっぱい入った殺虫剤や除草剤を畑に撒いてしまえば、土の中の生き物や植物がみんな死んでしまい、環境全体に悪影響が出てしまうのです。
実際に遺伝子組み換え作物による環境破壊はすでに深刻なものとなっていて、今世界中で大問題になっています。(日本では何故かあまり報道されていないようです…。)

オーガニックコットンはこういった問題を解消したいという思いから、遺伝子組み換えのものを認めていません。
製品になる工程にも違いがある
効率重視で収穫されたコットンは綿がつぶれた状態です。
そのため、薬剤を使用してふっくらとさせます。また、繊維の毛羽立ちを防ぐために柔軟剤やツヤをよくするために蛍光剤を使用します。
このように、通常のコットンは糸や布へと加工や染色のためにたくさんの化学薬品を使用しなければいけません。
お肌や呼吸器が敏感な人にとっては、化学物質がアレルギーやアトピーの原因になりますし、加工の際にでる化学薬品でいっぱいの汚水は深刻な環境問題の原因にもなります。
世界ではアパレル企業が排出する汚水も大変な環境問題になっています。

対して、オーガニックコットンは、綿を糸や生地にする過程でも極力化学薬品は使用しません。
どうしても必要な場合でも、環境に優しいミツロウやオーガニック認証を取得している環境や身体に悪影響の無い洗剤を使用するようにしています。
基本的に染色も行わず、色味が必要な場合はカラーコットンと言われる、茶色や緑の綿花ができる作物を使用しているそうです。
化学薬品を使用するか、しないかという点で大きく違いますね。
人や環境に与える影響の違い
オーガニックコットンが農薬や化学肥料、化学薬品を使用しないということは
環境に優しいとともに、人に優しいということです。
それは、オーガニックコットンを使用する方にとってはもちろんのことですが
に対しても優しいということです。
実はわたしはこの違いがいちばん衝撃でした…。
オーガニックコットンは消費者にとっていいものとばかり思っていましたが、自分だけでなく、オーガニックコットンにまつわるたくさんの人にとって良いものだったんですね。
オーガニックコットンの『違い』が分かれば選択も変わる?

ここからは少し込み入ったお話になってしまうので、気になった方はご覧になっていただければ幸いです。
今回、オーガニックコットンと普通のコットンの違いを調べている時に衝撃だったのが、世界中のコットン農家の方がとても過酷な環境で働いているという現実でした。
厳しい環境で働くコットン農家
コットンを栽培している地域はの多くは発展途上国や後進国です。理由は、安い賃金でコットンを大量生産できるからです。
安い賃金なのにも関わらず、コットンを育てるための大量の農薬や化学薬品に常に晒され続けて若くして命を落としてしまう人がたくさんいます。
驚くことに、インドでは貧しい子どもがコットン栽培で生きるためのお金を稼いでいて、多くの子は学校にも行けていません。

わたしは正直、どこかの国の貧しい人たちのことは、遠くの国で起こっている自分たちには全く関係のないことだと思っていたのですが、自分が身につけている衣類のコットンも、そんな子どもたちが栽培したものなんだろうかと思うと、なんとも言えない気持ちになりました。
安価な服のシワ寄せは誰の元に?
豊かな国に生まれた私たちは、安くてオシャレな洋服とっかえひっかえ選びがちですが(特にわたしは万年金欠なので1円でも安いものを精神です)、安価な服をつくるということは、それだけコストを切り詰めることになります。
安価な服の代償は、服を作る人や生地を作る人やコットンを育てている人が満足な待遇を受けられない労働環境で低賃金で働くことで補われているんです。
確かにそこにいる人たちの稼ぎにはなっているのでしょうが、これがベストな形であるとは個人的には思えなかったです。
エシカル&サスティナブルが注目される今
ただ、私たちにも日々生きていくお金が必要だし、高い服は買っていられないという人もいます。(私もそうです…)
それに、洋服を生産する上でどの工程の人にどれだけの賃金が支払われているのかも実際のところ分かりません。(結局はメーカーが牛耳っていて、末端の人の環境は改善されないとか)
そこで近年注目を浴びているのが「エシカル&サスティナブル」という取り組みです。
ちょっと長くなるので、エシカルとサスティナブルに関する定義はWikiさんにお任せします。
エシカルファッションとは…
①素材の選定、購入において、テキスタイルであればオーガニックコットンや天然染料のものを使う、皮革であれば食肉の副産物を利用する、浄化システムを完備した工場で作られた素材を使う、金具パーツであれば紛争の資金源になるようなメタルは使わないなど。
②企画・デザインにおいて、材料の無駄がでないようなデザインを心がける、大量生産や廃棄を促進するファストファッションではなく、定番のアイテムを企画・デザインするなど。
③製造において、フェアトレード(最低価格の保証、フェアトレード・プレミアムの支払い、長期的な安定した取引、前払い、児童労働・強制労働の禁止、安全な労働環境、民主的な運営、労働者の人権を守るなど)や環境負荷の低減(CO2や水を大量使用しない、毒性の高い成分を河川や大地などに排出しないなど)などに配慮する、手仕事や伝統技法を多用するなど。
wikipediaより引用
サスティナブルとは…
サステイナブル(英: sustainable)とは、人間の活動が自然環境や資源に悪影響を与えず、かつその活動を維持できるさまを表す言葉。また、物事がある程度の期間安定して行われるさまをいうこともある。「持続可能」と言い換えることが多い。
weblioより引用
この表記を見ていると、オーガニックコットンを選ぶということはエシカル&サスティナブルであると言えます。
自分がオーガニックコットンを選ぶことによって、少なくとも世界のどこかの誰かの負担が少しでも軽くなることに貢献できていることになるんです。

でも、こういったことって所得水準の高い意識高い系の人がするもんじゃあ…
と私も所得が低いので、こんな気持ちが無いと言えば嘘になるんですが、最近はオーガニックコットン商品をよく目にするようになっていませんか?
一昔前に比べれば、べらぼうに高くはないようにも思います。
これなら私にも手が出そうっていう商品もちらほらありますし。
オーガニックコットンの需要が高まれば高まるほど、需要と供給のバランスが落ち着いて、オーガニックコットンの価格も落ち着いてきます。
数年前からエシカル&サスティナブルに取り組むアパレル企業もどんどん増えて来ているので、これからは環境や人に優しいファッションが主流になってくるかのもしれませんね。
違いを知ったらオーガニックコットンを買ってみたくなった
長くなってしまいましたが、オーガニックコットンと普通のコットンの違いがお分かりいただけたでしょうか?
使う人の身体にとっていいだけでなく、作り手や環境にも配慮されているというのが、オーガニックコットンと普通のコットンの大きな違いでした。
オーガニックコットン製品を購入することで、微力ながら社会や環境保全に貢献できるのかもしれないですね。
購入しなくたって、こういうことを少しだけ知っているだけでも十分だと思います。
わたしも夏時期にTシャツを購入する時には、オーガニックコットンものもの1枚くらい購入してみたいなと思いました。
長くなってしまいましたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました(^^)/